用途によって使い分けがお勧め
本革はメリットのたくさんある素材です。高品質の本革製品ならメンテ次第で一生使うことも可能です。ヨーロッパでは本革製品を子どもに譲る文化があります。程よい光沢もあるため、ビジネスシーンでも活躍できます。
ただし値段は高め。安い本革製品でも1万円を超えます。高いものだと数十万!
そこで、学生でも気軽に買える革製品!という触れ込みで登場したのが合成革。フェイクレザーっていうやつですね。これならジャケットでも1枚3,000円~程度で購入できます。最近見かける「PUレザー」やユニクロの「ネオレザー」も合成革の一種です。
本革と合成革・・・やっぱり本革の方が良いと思いますよね。
結論から言えば「本物が一番!」なのですが、その違いや耐久性についてまとめてみました。場合によっては使い分けることも可能です。必ずしも本革が良いとは限りません。
そもそもPUレザーとは
ポリウレタンを使用し人工的に作られた革のことです。PUがポリウレタンの略称です。
以下のような特徴があります。
・軽い
・テカテカしている(滑らかで光沢がある)
・雨に強い、汚れにくい
・通気性が無い
本革と比べて耐久性で劣ります。2年ほど経過するとボロボロとはがれ落ちるようになります。
寿命に注意
By: Ryuichi IKEDA
合成革は出来たその瞬間から劣化が始まっています。
これが本革との一番の違いです。本革は時間と共にエイジングが楽しめます。
合成革の衣類は通気性が悪いため夏場や梅雨時期は使えません。活躍するのは春と晩秋~冬の間。秋~冬にセール品が出回ります。実際に衣類が作られているのは夏。既に半年が経過しています。
セール品を購入したとして活躍するのは来年です。2年ほどで劣化するため、結局ほとんど着ることができません。
TIPS:実際に合成革の製品を使っていた学生時代の話
大学時代、コムサで販売されていたPUレザーのジャケット風アウターを着ていました。真冬用のアウターでしたがデニムジャケットほどの重さしかなく、動きやすかったことを覚えています。毎年愛用していたのですが、3年後に袖回りの生地が剥がれ落ち使えなくなりました。
本物革の特徴
By: kirandulo
ラム・豚・ヤギ・牛など様々な動物革があります。それぞれに特徴がありますが、全体的な特徴は以下の通り。
・通気性がある
・雨、湿気に弱い(カビの発生など)
・独特なにおいがある
・傷に強く、時間の経過と共に色が変わっていく
各革ごとの細かな違いが知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧下さい。
本革は硬い!と思われている人もいますが、柔らかい革もあります。このあたりは素材と加工方法によって違ってきます。高品質な本革素材の製品を正しくケアすれば10年以上使えます。
最初は肌色だった革がアンティーク調の茶色に変化しますので、飽きがこないのも嬉しいですね。
上記の通り雨や湿気に弱いため正しい保管が必要です。風通しの良い場所に掛けたり、密閉した場所に保管しないようにしましょう。
合成革と本革、結局どちらが良いのか
物として良いのは間違いなく
本革
です。
値段にもしっかり表れていますよね。高価ですが手入れをして長年使うことができるので、コスパの高い素材だからです。
しかし、合成革には本革には無い特徴があります。特にPUレザーは雨に強いため、天候次第では活躍します。鞄は濡れやすいため合成素材品を持つ人も増えていますね。
あまり知られていませんが、合成革にも素材の良し悪しがあります。
コムサデギャルソンのように、高級ブランドで合成革を使っている服もあります。これは厚みを揃えたいから、のような理由があります。
ポーターのように、合成革なのに非常に強い素材もあります。通常2年しか持たない合成革なのに、ポーター製品は5年以上使うことが可能です。
本革製品はこんな人にお勧め
- 1つのものを長く使いたい
- メンテナンスが面倒じゃない
- ビジネスでもカジュアルでも一緒のものを使いたい
日本は革素材に馴染みの無い文化でした。「本革は良い。」と何となく思っている人は多いのですが、どの革が良くてどの革が悪いかは分かりません。本革でも品質により合成革のようにボロボロになるものがあります。革製品のデザインによっても寿命が短くなります。
本当に一生使える本革製品が欲しい方は本革製品専門店で購入することをお勧めします。興味があれば別ブログですが、こちらの記事をご覧下さい。
合成革はこんな人にお勧め
- 安価でレザーファッションを楽しみたい
- 重いものを持ち歩くのが苦手
- 動き回るのが好き
3,000円前後の合成革はテカテカして安っぽいですが、5,000円を超えてくると本革に近い見た目の製品も登場します。私が学生時代に愛用していたように、高価なものに手の出せない学生・新社会人にお勧めします。
本革に比べると圧倒的に軽く動きやすいので、アクティブに動きたい時にもお勧めです。レザーファッションで旅行をしたい時にも便利です。
まとめ
昔は「合成革なんて革製品の劣化版」と思っていましたが、最近はレベルが上がってきました。特にフェイクスウェードなんて本物と見間違えるものもあります。
東レの新素材“ultrasuede(R)/ウルトラスエード(R)”が話題を集めています。高品位なリアルスエードに匹敵するソフトな風合いだけでなく、高度な品質と機能性を兼備。シワになりにくく、型崩れもせず、天然皮革の半分程度の軽さも実現しています。
by:CLAP Men
ユニクロのネオレザーも柔らかく革製品とは思えないほどの動きやすさです。本革・合成革にこだわらず、それぞれのメリットを上手に取り入れることがこれからのレザーファッションの楽しみ方だと思います。