「安くて良い服」から「ブランド志向」へ
先日、ユニクロでインナーを買いました。3着で約3,000円・・・。
「あれっ?これって安いの?」
最近のユニクロは値段が上がっています。ジーンズでも1本4,990円(しかも税別で!)です。これならエドウィンやリーバイスの型落ち品が買えます。
「ユニクロは安いし品質も良いんだ!」
と思っているあなた。ちょっと待ってください。ジャケット1着5,990円、シャツ1着2,990円ならセレクトショップのセール品が買える価格です。それほどユニクロの価格は上がっているんです。
改めて価格上昇の原因を考えてみました。
円安効果
ここ数年、急激な円安が続いています。
海外の通貨よりも価値が低くなる
輸入が損をする
状態になります。ユニクロは主に海外で製品を製造しています。これを日本へ持ってくると「輸入」の形になります。最近のユニクロは海外事業に力を注いでいます。海外での売上高に影響はしないため、利益的には上昇しています。しかし、日本での売価は高くなります。
広告費
ユニクロのCMを見ない日はありません。有名芸能人を起用し、新製品が出るたびに新しい広告を打ち出します。
一般的なメーカー(コンビニやアパレル、不動産など)の広告費は1~2%。
ユニクロの広告費は4.4%です。
高い利益率とコスト削減により広告費にお金を回せる結果となっています。
目玉になる安売り商品を全て入口に持っていくのではなく、奥の方やレジ付近に陳列するなど。利益率の高い製品を多く揃え、そちらを買わせる戦略を出しています。
企業的には広告費が高くても利益があるのなら問題ないでしょう。しかし、消費者の私たちは支払ったお金の4.4%分は「広告費」なのだと覚えておかないといけません。
原材料の価格高騰
近年、急激な気温の上昇・下降に伴って動植物に影響が出ています。
2010年にはカシミヤの原料になっている「カシミヤヤギ」が寒波の影響で大量死しました。その数なんと全体の10%!動植物が育つまでにはかなりの年月がかかります。元に戻るまでに5年前後かかるでしょう。
そして2015年現在。今も気候変動は続いています。
カシミヤ
ウール
の価格上昇は続いています。
綿(コットン)
もパキスタンの洪水や他の新興国の需要に伴い価格が上昇しています。
ブランド志向への路線変更
ユニクロと言えば「安くて品質が良い」がキャッチコピーでした。今では「値段の割りに品質が良い」くらいの認識になっています。
ここで単純に思うのは「品質がそのままで価格が上がっているのでは?」ということです。
ブランドは
ブランドのイメージ料
デザイン料
材料・縫製などの品質料
の3つで価格を決めています。グッチなどのハイブランドが高級なのはイメージ料が上乗せされているからです。
ユニクロはイメージ料・デザイン料を捨て、品質に力を注いできました。この戦略が変わり「イメージ料」も上乗せするようになってきたんです。「ユニクロの製品は良い!」と評価を受けてきたので「ユニクロ」がブランドの力を持つようになったと考えたのでしょう。
高級店の設置
ユニクロの進出は止まりません。銀座や原宿の一等地・有名モールにお店を構えるようになりました。他の店舗と違うサービスを打ち出し、ユニクロの高級服を販売しています。
単純に思うのは「維持費」が想像以上の価格だろうと言うことです。土地の販売価格は1平方メートルで2,000万円~です。
外国人の利用者を得たいのなら銀座以外に場所があっただろうと考えられます。となれば「銀座に店を構えること」が宣伝になると考えたのでしょう。これも広告費・イメージ料の一角です。
割高な人件費
一部ではブラック企業と言われているユニクロですが、給料は多めです。
新卒の年収は約400万。
店長の平均年収は800万円。
部長クラスになれば1,700万円。役員では1億円!!
一流企業とは言え、アパレルでこの給料を出すのは思い切っています。正社員のほとんどが3年未満で辞めてしまうので、給与を高く設定して人手不足を補っているのでしょう。
ちなみに男性の20代前半の平均年収は265万円。20代後半で371万円です。
「安くて良いブランド」の条件
ではユニクロ以外で安いブランドは無いのか?と思いますよね。
先ほども書きましたが、
ブランドのイメージ料
デザイン料
材料・縫製などの品質料
が衣料品の価格を決める要素です。この3つのうち価格を抑えられるのがイメージ料。デザイン料もトレンドを意識した出回りやすいアイテムなら価格は抑えられます。
ユニクロ以下の価格でデザイン・品質がそれなりなら良いブランドと言えます。
ローコストおすすめブランド
若者向きのトレンド感あるアイテムが中心。リネンを使ったシンプルなシャツ・無地、ボーダーアイテムならどの年代も使えます。セール時なら1,000~2,000円になります。知名度はそこまでありませんが、値段に対してデザインが使いやすいのでお勧めです。
20~30代向けのキレイ目ファッション中心。通販のみのブランドなので知名度は低めですが、デザイン的に使いやすいアイテムが揃っています。細身でスタイル良く見せる作りになっていますので、値段に対してデザインを重視したい人におすすめ。